熊本にて、第3回理事会を開催し、全議案を賛成、承認

1月21日(土)、熊本の特別養護老人ホーム『みかんの丘』地域交流センター「夢見館」にて、当事業団の第3回理事会を開催しました。

審議事項は、以下の議案で、いずれも提案要旨を全員異議なく、賛成、承認しました。
ⅰ)『経理規程』の制定の件
ⅱ)介護の技能実習生の受入れの件
・当事業団の設立趣旨と目指すものを実現するために、法制化された介護の技能実習制度を活用し、中国、ミャンマーとの信頼・互恵の人材ネットワークを構築していくことを確認した。
ⅲ)正社員、賛助社員の入社の承認の件

尚、理事会に先立ち、『みかんの丘』の施設見学と同会場にて、13時30分~14時50分まで、社会福祉法人青森社会福祉振興団 中山 辰巳専務理事の『海外人材の積極的活用と「日本的介護」のブランド化について』を演題とする特別講演と質疑応答が開催された。地元の社会福祉法人、在宅支援センター、医療法人青洲会の関係者ら多数が参加した。

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中山辰巳先生(特別養護老人ホームみちのく荘園長)の講演を聞いて

2017年2月3日
つながるネット 代表 時吉直祐

1月21日、熊本県の特別養護老人ホームみかんの丘で行われた国際介護人材育成事業団主催による講演会『海外人材の積極的活用と「日本的介護」のブランド化について』に参加して参りました。
昨今、様々なメディアを通して少子高齢化による介護人材不足の話題を目にする機会が増えました。今後の日本の人口動態の見通しからしても業界における人材不足は容易に想像できます。ただ殆どの人はその事を漠然と知っているだけで、時代の流れに身を委ねているだけではないでしょうか? 

しかし、今回の講演の演者である中山辰巳先生(特別養護老人ホームみちのく荘園長)は、まだ日本に介護という言葉が存在しない時代からその事を具体的に考え、各種介護関連施設の創設・運営をはじめ、例えば、前例のない時期からの在宅相談センターの開所、福祉オンブズマンの設置、東南アジアからの介護研修人材の受け入れと教育、真空フードセンターの開設、介護事業へのICT・IoTの導入、ロボットの活用…、など介護現場に必要と思われるものを次々に具現化しておられました。

更に現在は、今後、来るべき日本の、あるいはアジア広域の高齢化を見据えたグローバルな介護人材の育成という先進的な取り組みにも既に、いや当然の事として着手しておられました。それなりに医療・介護・福祉の現場を経験してきた私ですが、いわば私とは全く異なった次元で介護・福祉の世界に生き、そして業界を牽引している先生のお話にただただ驚かされるばかりでした。

今回、私は講演会後に開かれた国際介護人材育成事業団の理事会にもオブザーバー参加させて頂きました。理事会ではこの分野の超エキスパートで構成された組織の極めてハイレベルなプロジェクトの議事進行に圧倒されましたが、この組織が目指す方向性を垣間見た私は、「海外の人材が相当のクオリティをもって日本の介護現場で活躍する日、そして日本的介護(Japanese KAIGO)がブランド化され輸出される日は、もう間近である事を確信しました。この日この場所に迎えて下さいました関係者の皆様に深く感謝すると共に、このような貴重な講演会、理事会に参加できた事を心より光栄に感じた次第です。

 

特別養護老人ホーム『みかんの丘』(熊本県)の施設見学の報告

2017年2月6日 社会福祉法人ぱる

常務理事 塚本 健

2017年1月21日(土)

熊本市西区にある特別養護老人ホームみかんの丘の施設見学をしました。 この見学でいろいろと数多く感心することがありました。その中での主なことを述べます。

 

この施設は、阿蘇熊本空港から2つの山を越えたあたりの山の中腹に立地しており、その地からの景色は観光地における撮影スポットではないかと思えるほどの景観の良さです。施設を背にして眺めると、何もさえぎることなく有明海が一望でき、青い空とのコントラストも最高でした。普段住宅地の中にて暮らしている私にとって、この景色が日常であるとは羨ましい限りです。今回の施設見学をした人の中に、「将来に向け、この施設の2階の角部屋を予約したいな」などといった声も聞かれ、私も同感と思いました。

続いて、この施設内にあるデイサービスにて食事をいただきました。この食事は普段、このデイの利用者と同じメニューで、煮込みハンバーグなど22種類の中から自分の好きなものを選択できるというものです。私は鮭のきのこソース定食にし、温かく洋食屋で食事をしているようなとてもおいしい定食でした。今回10名以上が参加し、その誰もが各自選択した食事をしました。配膳の際、厨房の職員の方の慣れた感じの手際の良さに感心をしました、普通、デイサービスで選択食をするには、魚系のメニューか肉系のそれといった数種類の選択肢の中から選ぶものと思っていましたが実際に目の当たりにし実現できるのだなと思いました。

 このデイサービスは、各自が楽しめるよう工夫されています。施設独自の通貨を用いて、カラオケルームを使用したり、機能訓練のための運動機器を使用したりなどと、施設側が与えるのではなく、各人がそれぞれ参加し一日を過ごせるようになっており、この当日、デイは休みでしたが、なぜか利用者の声(笑い声)が聞こえてくるような空間でした。デイの隣には、さながら温泉施設のようなお風呂があり、このお風呂は、利用者のみならず、地域の方々にも開放しているとのことです。また源泉かけ流しとのことで、これもまたうらやましい限りです。

 特養のフロアでは、個室となっており、入居者各自の思い思いの設えがされていて、また窓からの景色が前述のとおりで、入居者自身、自分の居室に愛着があるように感じられました。 入居者には役割があり、この日出会った方は、食器の洗い物を担当している方で、笑顔がとても周りの人たちを気持ちよくさせいただきました。担当している洗い物についても責任をもって丁寧にされていたことも印象的でした。自然と自立の支援をしており、これもまたいい感じだなとおもいました。

最後に、この施設は入居者、利用者そして職員の誰に会っても、元気よく挨拶され、どの空間に行っても、見学者といった誰も知らない人たちにもウエルカムな気持ちを全面に出してくれる最高な感じがしました。これには、地域の方々とのかかわりはもとより、入居者、利用者そして、職員の信頼関係が十分あり、何度も試行錯誤を繰り返し、行ってきたものの成果ではないかと感じました。

 見習うこと多い、とても有意義な見学をさせていただきました。みかんの丘の皆さんありがとうございました。