ニュータコ(有)と「さくら介護研修センター」の視察の報告

ベトナム、ホーチミンの
ニュータコ(有)と「さくら介護研修センター」の視察の報告

2018年2月13日

 2月2日、ベトナム、ホーチミン市の送り出し機関のNEWTATCO―HOCHIMINHを訪問し、トゥエット支社長と面談。同社における介護技能実習生の送り出しの課題や具体的な取り組みについて報告を受けた。

(日本語コースの授業風景)

(この春に来日する、介護技能実習生2名)


 通常、面接合格者は、寮生活で3~12ヵ月の日本語教育を受け、日本の文化、風俗、習慣や労働法や交通規則などを学ぶ。目指す教育は、①コミュニケーション能力・・・日本語N3②躾(しつけ)教育③日誌の作成(配置後の日誌継続)④清掃の徹底⑤5S。
 介護職種は、送り出し国の研修期間も永く設定せざるを得なく、しかも、日本語要件のハードルも高いことから、募集は集まりにくく、実験段階であった。介護技能実習生として学ぶ生徒は、現在4名。12月の日本語能力試験N4にも合格し、同月には、175病院の「さくら介護研修センター」で、同病院の看護師20名と一緒に、5日間の介護研修のトライアルに参加したそうだ。
 次に、ベトナム国防省の直轄病院、175病院の「さくら介護研修センター」を視察。175病院は、南沙諸島を含めた旧南ベトナム全体をカバーする拠点病院で、現在のベット数は1,200。現在、400億円をかけて、新病院棟を建築中で年内にオープンする。
 今回の視察では、この開設に協力した、㈱社会福祉総合研究所の北原 弘美代表取締役から、この開設に至る、同社の関りと協力内容、その立ち位置、現状の評価と今後の課題についてレクチャーをしていただいた。
①ベトナムとの出会いは、高齢者施設の椅子などの家具づくりがスタート。その後、ホーチミン市師範大学の留学基金、ニュータカと出会ったとのこと。
②立ち位置としては、「さくら介護研修センター」の企画・設計支援や研修用器具・教材の提供、175病院の看護師の日本研修などの支援で、運営はあくまでも175病院中心のベトナム側、とのことであった。
③同社にとって、175病院とともにベトナムの地域性を踏まえた人材育成の仕組み作りに取り組んできたことは大変貴重な経験で、今後はより具体的な人材の交流や受入れなどを通じて、双方向の高齢者サービスが成長、発展していくことが期待している、とのことであった。

(「さくら介護研修センター」)

(国防省175病院関係者の記念撮影)


 最後になるが、「ベトナム側が国にあった高齢者介護を独自に作り上げる」一歩が着実に始まろう としていることを実感しているそうだ。このポジショニングは、私たちが、介護の技能実習生問題に対処する立ち位置に示唆しているのではないだろうか。
 尚、今回の視察には、オールアクセスミャンマーのアウン代表、ミャツ教育部長の他アジア開発事業協同組合の苗代表理事も参加した。